季節を巡り家族の想いをつなぐ「巡想（じゅんそう）の家」　苫小牧市Ｔさま

設計／合同会社西川幸宏建築都市設計事務所

Ｔさま邸の特徴

「大切な家族が心地よく暮らし、子・孫世代まで住み継げる家にしたい」。Ｔさまご夫婦のこうした想いから始まった家づくり。高い住宅性能で次世代まで快適に住める環境を確保し、建築家とのコミュニケーションを重ねて生まれた工夫を取り入れ、ご夫婦が思い描くライフスタイルに寄り添う一棟が完成しました。

マットブラックの金属サイディングに羽目板を組み合わせたＴさま邸。正面に門型フレームデザインを取り入れ、広がりが感じられる外観になりました。フレームはウッドデッキの屋根の役目も果たしています。

玄関の先は２WAY仕様です。正面扉の向こうはリビングダイニング。一方、左の扉を開けると…

洗面室があり、そのままファミリークローク→脱衣室→リビングダイニングへと続きます。花粉症のＴさまのために、花粉や汚れがついたままリビングに入らないプライベート動線です。

リビングの窓は高さを抑えつつ横に広げる形で設計。明るさを取り入れながらも落ち着きのある雰囲気が生まれました。

構造を現しにした天井、秋田杉を使用した吹き抜けの手すりが木の温もりを感じられる和モダンな空間を演出しています。

設備関係の設置場所と収納のバランスは、建築家ならではの腕の見せどころです。 階段下にエコキュートを納め、大容量のファミリークロークを実現。

階段とキッチンの間にあるわずかな通路に収納を設け、対面にはスイッチ関係をまとめたニッチを造作しました。

吹き抜けも太陽の熱・光の入り方などに素直（パッシブ）な設計に。空間の広がり、風の動きなども考慮されています。

キャットウォークには２階からアクセス可能。デザイン性と同時に、高所窓を掃除できるメンテナンス性も兼ね備えました。

住宅性能は、UA値（断熱）0.21、C値（気密）0.29。耐震等級3、長期優良住宅仕様のほか、BELS（建物の省エネ性の表示制度）最高ランクを獲得しています。

これらの性能により、家族皆が快適に過ごせるとともに、エネルギー消費などのランニングコストが減り、生涯のトータルコストを抑えられます。次世代へと住み継ぎ、家族で豊かな人生を送れる家へのＴさんご夫婦の想いを込め、今回設計を手掛けた西川さんは「巡想の家」と命名されました。

※Tさまご夫婦に、当社に依頼した理由をお聞きしました。こちらのブログ「住宅会社選び：拓友建設への依頼の決め手は？　お客さまインタビュー2025」をご覧ください。