札幌:拓友建設の特長3

高断熱・高気密
&パッシブ換気

1980年以前は、北海道でも断熱・気密性能が低い家が多く、道民は、冬場には灯油などを大量に消費し暖房のある居間に集まって寒さをしのぐ生活をしていました。今でも築30年以上の家では寒い、結露やカビに悩まされる、エネルギー消費の多い家が多いと思います。

北海道の住宅会社が、住宅の断熱・気密性能の強化に取り組みはじめたのは1973年のオイルショックがきっかけでした。灯油代の高騰で、家を建てたい人が住宅の省エネに関心を持ちました。多くの住宅会社が、壁の断熱材を厚くしたり、窓もアルミサッシの単板から、ペアガラス入りのプラスチックサッシに代え、高断熱住宅が建てられるようになったのです。 ただし正しい断熱施工、気密や換気の重要性などは理解と実践が不十分で、住宅性能、品質、耐久性などの課題はその後もしばらく続きました。そんな時代背景のなかで、拓友建設が1992年に創業し、その後2010年頃までの20年間くらいは、家づくりを希望される方の第1の要望は「高断熱高気密の暖かい家」で、住宅の断熱・気密性能が良いという評判があれば、わりと住宅受注は苦労しない時代でもありました。

SHS工法の優位性を実感

私は建築業界に入った当初から、住宅施工品質、特に断熱性能の強化に関心を持っていました。1990年以前は、まだ住宅会社の経営者や現場監督だけでなく、大工などの技能者もどのように断熱施工をすればよいのか、そして断熱の重要性をまだはっきりと理解していない状況でした。

壁の中にグラスウールを詰めれば断熱できるという程度の認識では、断熱がしっかり隙間なく施工されていないことも多く、なかには小屋裏にグラスウールのロールがそのままコロっと置いてある、というような現場もあったそうです。施工する側も点検する側も断熱の重要性と施工の知識、技術がしっかりしていませんでした。

そんな中で、構造体の外側をボード状の高性能な断熱材ですっぽり覆うという断熱施工法、SHS工法は、断熱材が一定の厚みで隙間なく施工されているということを施工後に見て点検できる、まさに断熱施工の「見える化」でした。私はこの方法は画期的だと感じ、SHS工法を採用しようと決めました。 SHS工法で家を建てるためには、実際に施工を担当する大工さんが理屈と正しい施工法を理解し実践できないとなりません。住宅の断熱・気密の研究者に、私は以前から指導をいただいていました。そしてその方が自宅を建設する際に、拓友建設を指名してくれました。その研究者、そしてSHS工法の断熱材「スタイロフォーム」を販売する富士化学工業が、施工のポイントも含め、私だけでなく大工にも丁寧に指導してくれたことで拓友建設はSHS工法を深く理解することができました。

SHS工法で建設された住宅が住宅雑誌に掲載され、大手ゼネコンの設計者のご自宅の施工にも採用していただくなど、住宅の断熱に関心の高い建て主さまからの問合せも増えました。私の自宅もSHS工法で建てましたが、30年経った今でも暖かく大変省エネです。設計事務所・建築家にもSHS工法の魅力をたくさんPRし、住宅のデザイン面だけでなく省エネ性能も高い住宅を一緒に作ってきました。

創業当初から5年ほどは、SHS工法による外張り断熱の住宅と、軸間のグラスウール断熱の住宅が半々くらいの割合で家を建てていました。外張り断熱で断熱性能を高めたくてもお客様のご予算もあって、全棟SHS工法というわけにはいきませんでした。現在はSHS工法による外張り断熱に、壁の中にグラスウールも入れています。これは断熱性能アップだけでなく、グラスウールの吸音性能を活用する音対策の意味もあります。

札幌版次世代住宅基準の最上位・プラチナにも対応

当社の現在の外張り断熱・SHS工法は、標準仕様がシルバーレベル以上で、十分に暖かく省エネな住まいは実現しています。とはいえお客様がより高性能な住宅を要望されることもあり、札幌版次世代住宅基準の最高等級「プラチナ」(旧基準の「トップランナー」)で国の省エネ基準よりもさらに高性能、UA値0.18Wの住まいなども建てさせていただいております。

施工事例 札幌のトップランナー住宅 札幌市Hさま

札幌市のホームページもご覧ください。

「新しい札幌版次世代住宅基準と補助制度について」

お客様との断熱仕様、スペックに関する打ち合わせでは、これまで当社が建てさせていただいたお住まいでの実際の暖房光熱費負担額を、建て主さまから教えていただいていて、その暖房光熱費のデータをもとに、予想暖房光熱費負担額をお示しして、経済的な意味での省エネ効果も検討いただいています。

2003年には北海道SHS会の会長に就任し2018年まで道内の住宅会社の皆さんとSHS工法の普及、技術向上に取り組んできました。現在は顧問として会の発展と会員のますますの技術向上のためにも、引き続きSHS工法の普及に取り組んでいます。

パッシブ換気のメリットも実感

拓友建設は、断熱・気密性能の追求とともに、換気システムの改善にも取り組んできました。

住宅の室内は、呼吸や調理、ペットなどによるにおいや水蒸気、二酸化炭素などによって少しずつ汚れます。また家具や建材類からのVOC(揮発性有機化合物)なども蓄積されていきます。そこで、建築基準法は、ホルムアルデヒドなど、有害化学物質による健康被害を防ぐため、1時間の間に、室内の空気の約半分を入れ替えることができる換気システムの設置を義務付けています。そのため、現代の多くの新築住宅は、機械の力で24時間換気し続ける機械換気を採用しています。

しかし機械換気は、給気口から機械のパワーで、強制的に屋外の空気を吸い込むので屋外の花粉や虫、埃なども吸引します。そのため給気口に「フィルター」が必須で、そのフィルターは数か月で汚れが付着し、目詰まりし換気の流入量が減ります。またダクトを使用した換気システムでは、各部屋に吸気・排気するために天井や壁の中などに設置されている換気用のダクトの内部も簡単には掃除できないことも心配の一つです。

そこで拓友建設は2009年から、パッシブ換気システムを導入し、採用をおすすめしています。パッシブ換気システムとは、北海道大学、北方建築総合研究所が共同開発し、一般財団法人北海道建築指導センター、北海道建設部建築指導課が推奨する、実用新案を取得した換気システムで、道内でも既に400棟以上の住宅で採用されている換気システムです。

パッシブ換気システムは、住宅の断熱性能や気密性能がかなり高くなければ、計画通りの換気が機能しません。パッシブ換気を導入するための基準が定められていますが、拓友建設が建てる住宅はこの条件を問題なくクリアしています。

パッシブ換気の最低基準値

隙間相当面積(C値) 1.0cm2/m2以下
外皮平均熱還流率(Ua値) 0.36W/m2以下
熱損失係数(Q値) 1.6W/m2以下

拓友建設の標準値

隙間相当面積(C値) 0.5cm2/m2以下
外皮平均熱還流率(Ua値) 0.26W/m2以下
熱損失係数(Q値) 1.00W/m2以下

家づくりを検討中の方が、換気システムの違いを意識されることは少ないとは思いますが、室内の空気を綺麗にすることは家族の健康にもかかわる大切なポイントです。