「分かりやすい」気密の話.1

先日、私たちが施工した住宅の「気密性能試験」を行いました。
結果はおかげさまでとても納得のいく数値が出たのですが、「ウーム…こんなに家にとって重要なこと、もっと皆様に理解していただく努力をしなければ」と思い立ちました。実はずっと気になっていたんです。

 

今回、気密性能試験をおこなった家の外観です。あいにくの雪模様。

家のとても大切な要素「気密・断熱・換気」。

でも目に見えないのが悩ましく難しいところです。床材や窓、キッチンや収納は楽しんで見て選ぶことが出来ますが「気密・断熱・換気」はどうしても地味なイメージ。お施主様も「専門的な分野」と敬遠されがちです。知ると面白いのですけどね。

家の性能は「気密・断熱・換気」で90%決まると私は思っています。

なので少しづつ「分かりやすく」これらの話をご紹介していければと思います。家を建てるって一生に1度か2度のすごい事。皆様には間違いない「大満足の我が家」をぜひ手に入れて欲しいのです。

今回は気密の話を少し。

気密は、性能を機械で測定すると数字で見ることができます。
家の床面積に対してどのくらい隙間が小さいのか?をC値といい、〇cm2/m2と表わします。数字が小さければ小さいだけ隙間が小さく「気密が高い家」と言うことができます。下の画像が気密測定の様子です。

気密測定は、資格を持った技能者が拡声器のような機械で家の空気を排出&測定します

「気密が悪いとなぜダメ?」かというと、隙間から「冷気や熱」が逃げてしまうので夏は冷房代がかさみ、冬は暖房をつけても部屋が暖まらず暖房代も高くなります。

お金をかけて、せっかく断熱材を厚く入れても意味がなくなってしまうのです。
自慢ぽくなるのですが、私たちが施工した家は気密性が高いので「以前の家より冷暖房費が減りました」とお施主様が教えてくださいます。

 

ただ確かに気密は高ければ家の中の空気が逃げにくくなりますが、生活をしていると料理などの様々な臭いがでますよね。洗濯物を部屋干ししたら湿度も高くなります。カビが生える原因にもなります。

そこで切っても切り離せないのが「換気」。

空気を逃げにくくさせておいて換気だなんて相反することのように思えますよね。でも実は気密が高い住宅は換気をコントロール出来るんです。それを「計画換気」といいます。

気密から換気に話が動いて、ここらへんでウンザリされる方がいそうです。少しずつって難しいですね。続きはまたこの次にします。

 

さて私たちの「気密性能試験」の結果ですが、C値0.2c㎡/㎡でした。この家は5.5㎝×9㎝という「名刺の半分以下の隙間」しかないことになります。

 

参考までに、次世代省エネルギー基準値、北海道はC値2c㎡/㎡です。

<NEDO(新エネルギー技術開発機構)から抜粋>

札幌版次世代住宅の基準はさらに厳しく、C値1〜0.5c㎡/㎡です。

札幌版次世代省エネ基準値

・今回のまとめ・

気密性能の数値は、小さいほど「気密が高い(隙間が少ない)」

 

早く詳しく知りたい!という方は、よそ様のサイトではありますが

「換気システムの課題とこれからの住宅換気」

北海道科学大学工学部建築学科教授の福島明先生が書かれたコラムがとても詳しくて参考になると思います。