住宅用フローリングの選び方

最近の新築住宅では、和室を作らないケースも珍しくなく、作ったとしても客間か仏間として使うことがほとんどです。したがって、フローリングを採用することが大半です。このフローリングには、種類がいろいろあることをご存じでしょうか?

1.無垢フローリング
2.三層板タイプの複合フローリング
3.挽板タイプの複合フローリング
4.突板タイプの複合フローリング
5.木目調シートタイプの複合フローリング

このように、大きく分けて5種類もあります。

濃いめのオイル塗装を施したナラ材の無垢フローリング(当社施工事例)

「無垢フローリング」は1枚板で作っており、貼り合わせをしていないので接着剤を使用していません。表面にキズが付いてもヤスリをかけることで新品同様になります。施工したばかりの時は、木の香りが漂ってきてそれが魅力だというお客さまもいらっしゃいます。

価格は5種類の中では一番高価です。さらに樹種によっても価格差が大きくなります。道産ナラ材、ニレ、パイン材(松)などが多いのですが、メープル(カエデ)、クリ(チェスナッツ)、シラカバ、ウォールナット(クルミ)、バーチ(カバザクラ)などなど、さまざまな木材の無垢フローリングがあり、ウォールナットやクリなどはお値段が高くなります。

パイン材の無垢フローリング。節の表情が特徴で、年月とともに色が濃くなります(当社施工事例)

本物の木の質感を味わえ、大きなキズが付いてもケアがしやすい、お手入れをきちんとすれば数十年使用できるなどの魅力がある一方、車いすやキャスターなどの細かなキズが付きやすく、お手入れとして定期的にワックスを塗布する必要があります。また、水をこぼした時は素早く拭き取るなどの注意も必要です。

三層板タイプは、4~5mmの無垢板を3枚貼り合わせた複合フローリングで、道産材を使った製品が多いです。特にカラマツ、トドマツなどは有名です。無垢フローリングよりもコストが若干安く、寸法安定性に優れています。質感は無垢と同様で、複合フローリングの中では、キズがついても表面を薄くヤスリ掛けすることも可能です。

挽板タイプは、合板やMDF(中密度繊維板)など木を原料にした材料を基材とし、表面に無垢材を2~3mm厚に薄く加工した「挽板」を張ったものです。合板やMDFは無垢材よりも反りなどが起きにくいというメリットがあります。この表面に挽板を張ることで、無垢フローリングのように見え、見栄えもいいのです。それでいてコストは無垢フローリングよりも安くなります。また、床暖房対応、キズが付きにくい加工や耐水加工など、機能性の高い仕上げを選ぶことが可能です。

当社が採用する突板タイプ。無垢材よりも板が幅広です。また、高級感あるマット仕上げで無垢材と見た目はほとんど同じです(当社施工事例)

突板タイプは、合板やMDFの基材に、無垢材をかつらむきして薄さ0.3~0.6mmに仕上げた「突板」を張ったフローリングです。突板は薄いため、挽板タイプよりさらに低コストが可能です。挽板タイプと同様、様々な機能を付加した製品が多くなっています。最近は抗ウイルス・抗菌加工をした製品も見られます。

既存の床をはがさずに上から貼れるリフォーム用フローリング。精巧な木目調シートでまわりの木材と雰囲気を合わせられます(当社施工事例)

木目調シートタイプは、基材の表面に木目調のデザインを印刷した樹脂シートを張り、表面にキズが付きにくく防水性のあるコーティングをした複合フローリングです。大手建材メーカーでは、このシートタイプの複合フローリングが主力になっています。木目調シートは精巧にできており、木目の凸凹まで再現した製品もあります。

無垢フローリングでは原木から製造する過程で、歩留まり(製造効率)を良くするために幅が75~105mmと狭いものが多いのですが、複合フローリングではそうした制約が無いため、150mm幅など幅広の製品があります。また、ワックス掛けなどのメンテナンスは原則必要がなく、ある程度の防水性もあるため、お手入れはとても楽です。

フローリング補修などに使う市販のパテ(ホームセンターなどで売っています)

複合フローリングは、いずれも低コストで機能性の魅力が大きいのですが、一方で表面にキズが付いても補修がしにくいという欠点があります(ホームセンターで売っている似た色のパテを使ってDIYで目立たなくすることはできます)。突板やシートタイプの場合は、基材が見えてしまうほどの大きなキズになると、交換するしかなくなります。

拓友建設では、無垢フローリングも複合フローリングも採用できます。それぞれの特徴や価格帯など、ご説明することも可能です。詳しくは、当社までご相談ください。