電気代の値上げ対策になる家づくり

6月も下旬になり、初夏の爽やかさが感じられる気持ちの良い日が続いていますね。これから本格的な夏を迎えますが、北海道もここ数年は厳しい暑さに見舞われることが多くなりました。そのため、エアコンを取り付けるご家庭も増えているのではないでしょうか。

家電の使用量が増えてくると、気になるのが電気代です。北海道電力が6月1日から電気料金を値上げし、標準家庭の電気代はこれまでより20数%ほど高くなります。食料品や日用品などの値上げラッシュが続いているので、せめて光熱費は抑えたいところです。そこで今回は、電気代の値上げ対策になる家をつくるための3つの設備をご紹介したいと思います。

①太陽光発電の電力を自家消費

1つ目が、家庭で使用する電気を自家発電で賄い、電力会社からの買電量をできるだけ減らすこと。家庭に導入する自家発電設備としてポピュラーなのが太陽光発電です。太陽光発電による電力は、自家消費するのがおすすめです。国の買取制度による売電価格が年々下がっていること、また災害時の非常用電源として活用できるからです。

こちらは当社が施工した札幌市のSさま邸です。以前、本州で太陽光発電システムを設置した家に住んでいて電気代の安さにメリットを実感されていたSさま。その後、引っ越してきた札幌で家を建てる際にも太陽光発電の設置を希望されました。Sさま邸では太陽光パネル8枚・2.5kWを屋根に搭載しており、1ヵ月平均の発電量は試算でおよそ180~200kWhとなります。これにより、一般的な1世帯(4人家族)の1カ月当たりの平均電気使用量の半分程度を賄えます。

②蓄電池との組み合わせでさらに効率運用

2つ目にご紹介するのが蓄電池です。太陽光発電と組み合わせることで、自家発電した電気をさらに効率よく使うことができます。例えば、天気が良い日に太陽光発電がたくさん発電して、自家消費し切れなかった電気を蓄電しておけば、夜の照明やテレビ・冷蔵庫に使うことが可能です。共働き世帯などのように、昼間に不在で電気の使用量が少なく、帰宅後に使用量が増えるご家庭にとってもメリットになります。

【出典:京セラさんホームページより】

先ほどのSさま邸では、太陽光発電とセットで約5kWhの蓄電池を導入し、ほぼ1日分の電力を賄えるようになりました。停電時の非常用電源としても活用できます。

③電気自動車を蓄電池として活用する「V2H」

3つ目が、電気自動車を蓄電池として活用する方法です。この方法は、「V2H」(Vehicle to Home ビークルトゥホーム)と呼ばれ、電気自動車などのバッテリーに蓄えられている電力を住宅に供給して、家庭内で使う仕組みです。

【出典:日産自動車さんホームページより】

電気自動車のバッテリーは、家庭用蓄電池より大容量。蓄電池として活用すれば、太陽光で発電できない雨の日でもバッテリーだけで家電製品が使えますし、逆に太陽光発電の電気をバッテリーに蓄電し、クルマを走らせることもできます。非常時の備えとしても安心です。

札幌市が独自に制定した住宅性能基準「札幌版次世代住宅基準」では、断熱性能などとともに、今年度から新たにサステナブル要件として、太陽光発電を蓄電設備とつなげることや、電気自動車と接続する際にはV2H充電設備があることなどが盛り込まれました。

この基準を満たす住宅として、札幌市が認定した「札幌版次世代住宅」には新築時の建築費用が補助されます。「太陽光発電や蓄電池は導入のハードルが高い」という方もいらっしゃると思いますが、住宅の高断熱化に加えて、こうした補助制度を活用しながら自家発電と蓄電環境を整備することで、電気代の削減対策になるとともに、快適で安心して暮らせる家づくりにもつながります。

当社ではこれまで、札幌版次世代住宅基準に対応した家づくりで実績があるほか、今年度の新基準に対応したモデルハウスを建設中です。これらの設備・機器、また高断熱住宅について詳しく知りたい方、ご興味のある方がいらっしゃれば、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。